サヨクの嘘を暴け! 〜食品編〜 《跡地》

【不安商法】 恐怖の食品添加物 vol.1
【問】「食品の裏側―みんな大好き食品添加物」という本を読みました。
 もう怖くて市販の加工食品は食べられません。
▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽▲▽
【答】あっそう。  好きにすれば。

 まぁ、どうでもイイことなんですけど、どうして一般大衆は、たった一度だけテレビで見た健康番組と か、たった一冊だけ読んだ健康関係の単行本とかの内容を、全く何の疑いも無しに盲信できちゃうん でしょうか?
 Amazonのレビューなんて読んだ日にゃ背筋が凍りますよ。
 なかには「せっかくインターネットが使えるのに, 2007/1/19」なんて云う至極真っ当な意見もある けど(ってコレ実は私の書き込みです(笑))、大半は物の見事にハマっています。

 この本は、食品添加物に関する科学的な本として評価するならダントツのクソですが、人の弱さに付 け入る催眠商法のテキストとして評価するなら、コレ以上無いほど素晴らしいテキストと言えるでしょう。
 どうすれば人は不安になるのか? 不安になった人を任意に従わせるには何を刷り込めばイイの か?……詐欺師にとって素晴らしい手引書となってくれること請負いです♪
 素人消費者相手に詐欺を働く気なら是非購入すべきですね。  シロサギ必須の座右の書と言って 良いでしょう。

 それはともかく。  どんな意見であれ、既存の常識を打破する内容に関しては、必ず検証されなけ ればなりません。
 「発言が『発言そのものに依って証明される』ことがあってはならない」のです。
 自慢じゃないけど、私なんて専門書でも鵜呑みにしやしません。
 自分の知識や知恵だけで判断しかねる内容は、できるだけ沢山の書物やwebサイトに当たって検証 するようにしています。
 最低でも反対意見の書かれた本を、賛成意見の本と同じくらいの冊数読むことは必須でしょう。
 それすらしないで、「怖い」だの「もう食べれない」だのというのは、「私は入信しました。 これからせっ せとお布施に励みます」と宣言するのと同じで馬鹿丸出し。  滑稽の極みです。



 図書館で調べるならこちら↓のサイトが参考になります。
「食品添加物について調べる <国立国会図書館:テーマ別調べ方案内>」

 個別の食品添加物がどういうものなのか?に関してはコチラ↓。
「食品添加物を調べてみよう <フジテレビ食品研究所・食品添加物データベース>」

■食品添加物に対して肯定的なサイトの一例■
「厚生労働省:食品添加物に関するホームページ」
「厚生労働省食品化学情報」
「財団法人 日本食品化学研究振興財団」
「食品添加物関連情報」
「食品添加物の安全性について:熊谷市」
「食品添加物について:栃木県」
「食品添加物:岡山県」
「京の食“安心かわら版”‐食品添加物」
「財団法人 日本食品化学研究振興財団 食品添加物のJECFA安全性評価」
「ちょっと栄養学」
「Japan Food Information Center◆1食品添加物ってどんなもの?」
「Japan Food Information Center◆2なぜ使用されるの?」
「Japan Food Information Center◆3安全性はどうなっているの?」
「Japan Food Information Center◆4どんな法律があるのだろう?」
「Japan Food Information Center◆5国際基準への対応」
「Japan Food Information Center◆6安心して食べたい」
「環境goo 環境ナビゲーター 第3回 食品添加物」
「環境goo 倹約エコ生活 食品添加物」
「食品衛生の窓」
 → 「食品添加物の概要」
・「食品添加物 Wikipedia
「日本食品添加物協会」
 → 「わかりやすい食品添加物」
「食品添加物の正しい理解」
「パンのはなし(安全性)」
「市民のための環境学ガイド」
 → 「リスク報道を超えて 死亡数によるリスク表現 10.29.2006」
 → 「読者皆様からのご意見・ご質問  08.03.2003」
 → 「食の安全とリスク管理 06.23.2002」
 → 「化学物質リスクと死因事典  08.26.2001」
「〈「食品報道」のウソを見破る〜食卓の安全学〉を2005年7月に上梓しました。」
「かしこい生き方のススメ」
「栄養:一般的考察」
 → (下のほう)「食品添加物と不純物」
「食品添加物に関するQ&A(pdf)」 
「食品添加物に関するQ&A(pdf)」
「食品添加物を考える(pdf)」
「添加物の安全性(pdf)」
「Food Science(有料)」

■食品添加物に対して疑問符を持つサイトの一例■
「食品安全委員会:添加物専門調査会」
「食生活について語ろう」
 → 「《テーマいろいろ・パート2》 ◎食品添加物」

■食品添加物に対して否定的なサイトの一例■
「食の安全情報缶 ジーライブ」
「料理のまえのかくし味 安全? 食品添加物〜食品添加物の安全性〜」
「整体マニアックス 食品添加物の安全性」
「リスドォル ミツ 無添加パンへの熱い思い」
「添加物等ワンポイント判断と日々の心がけ パンの危険回避のキーワード」
「小麦粉について 国産小麦粉・輸入小麦粉どちらが安全?」
「食品添加物を考える」
「食品添加物の危険性・安全性」
「有機野菜、無添加食品のススメ・食品添加物の光と影」
「みやぎ生協 新・食品添加物自主基準」
「食品添加物の現状」
「どすこい!高知県出身。燻製部屋。:食品添加物は安全なのか?」
「My News japan 食の安全〔コンビニ編〕」
「[2006年8月25日]《食品添加物の相乗作用による発がん物質ベンゼン生成に関する要望書》 - 主婦連合会」
「良品市場コ・ラ・ム-食品の安全性」
「食品と原子力の危険性の類似」
「食べてはいけない!!」


 〜上のサイト群は、いずれも特に苦労して集めたリンクというワケではありません。
 googleの検索エンジンでキーワード「食品添加物」「安全性」を使って検索した上位100件から抽出した だけです。
 内容ひとつひとつの真贋は分かりませんが、「三人寄らば文殊の知恵」と同じで、専門的に語られる サイトを賛否両論併せて20〜30も読めば、ある程度何が正しくて何が正しくないかが見えて来ます。
 折角、インターネットが使える環境があるんですからサイトを周らないのは損ですよ。


 「食品添加物怖い」も「農薬怖い」や「遺伝子組み換え怖い」と全く同じで、『安全食品ビジネス』という 不安商法の一つです。  そしてそれは、私が煮え湯を飲まされた『アトピービジネス』と手口が全く同じ です。

 アトピービジネスという不安商法に関しては、別のページに【アトピー性皮膚炎Q&A】という項を設けて ありますので、そちらをご参照いただきたいのですが、ここでも簡単に触れておくことにしましょう。


 アトピー性皮膚炎という病気を御存知でしょうか?

 現在の医学をもってしても、原因が明確でない「ある意味奇病といえる」慢性疾患です。
 原因の一部しか判明していませんので、とりあえずアレルゲンが分かっている場合はそれを避け、発 症した皮膚炎に対してはステロイドという薬品を使って症状を抑えます。
 しかし、アレルゲンの忌避を続けるのはしんどく、ステロイドという薬品もいわゆる“慣れ”の生じやす いコントロールの難しいクスリです。
 治る時は勝手に治ってしまいますが、治らない人は何年も何十年も苦し続けるイヤな病気です。

 闘病で疲れた患者の耳元で「アトピービジネス」という名の悪魔が囁きます。

 「アレルゲンを摂っても発症しなくなる体質改善が出来るぞ」「アトピーの原因はステロイドなんだぞ」 「ステロイドは悪魔のクスリなんだけど、皮膚科医と業者が癒着していて減らせないんだ」とかなんと か。

 冷静に考えれば一笑に付すしかないような珍論なのに、闘病で疲れた患者のココロに沁み入ります。

 そうした内容の本を何冊も読み、そうした内容の書き込みをwebの掲示板で何度も読むうちに「ステロ イドが悪いんだ」「ステロイドを止めて○○を飲めばアトピーは治るんだ」「アトピー肌は□□でキレイに なるんだ」と。

 こうなったら、もう止まりません。

 周囲の声も聞こえません。

 断固たる決意の下に、ステロイド剤の塗布を断ってしまいます。

 そうしたらどうなるでしょうか?

 ステロイドの抑制効果でムリヤリ沈められていた皮膚炎が一気に発症してしまいます。
 それは、「地獄の苦しみ」という他に表現しがたい惨状で、全身は赤紫色に腫れあがり、気も狂うほど の痒みに一日中襲われ続けて夜も眠れません。
 ステロイド断ちをした患者のうち、大半は途中で意思が折れて再びステロイドに戻ってくるのですが、 稀に感染症を起こして死に至る例もあります。
 もちろん、中にはステロイド断ちの結果、ホントウにアトピーが治ってしまう人も居るのですが、元々勝 手に治る例の多い病気であり、因果関係は立証されていません。
 ただ、僅かな治癒例が「アトピービジネス」に利用されて被害者を増やし続けるのです。


 「アトピービジネス」と「安全食品ビジネス」の手口は全く同じです。 ただ前者は健康も奪われるという 点だけが違うのです。


 ただ、そうは言っても、食品添加物や農薬,遺伝子組み換え食品に不安を抱く気持ちも分かります。
 [ 他の生き物が摂って死んでしまうような薬が撒かれた農作物 ] や [ 大量に摂取すると体に重篤な 悪影響を及ぼすようなクスリ ] が混入した食品は、たとえ少量でも摂りたくない…というのは、一般心理 としてごくアタリマエの反応だと思います。

 「残留する農薬の量は極々僅かであって、それよりも植物が外敵(昆虫)から身を守るために分泌す る農薬様物質の方が何倍も何十倍も有害なんだ」とか「牛肉を食ったからといってアタマにツノが生え たりしないのと同様、食物として摂った遺伝子がカラダに影響することはありえない」とか「食品添加物 の量は、動物に全く害が現れない量に対して100倍をこえる安全率を見込んだ量に法律で制限され、 しかも実際の摂取量はそれよりも少ないんだ」などの至極アタリマエの化学知識が、一般消費者のココ ロに届くことは、まずありません。
 なぜなら、義務教育レベルの理科知識すら怪しい大衆相手に「化学的に正しい理屈」なんて何の訴 求力も無いからです。
 それに、そもそも「安全」よりも「危険」という方が説得力があります。  そして、一旦「危険ダ」と刷り 込まれてしまったマインドコントロールは、当人がwebや書籍を読み漁るなどの自己努力をして知識を 積み重ね、理系知識のレベルアップをしない限り、まず解けることはありません(私に刷り込まれた「ス テロイドハ危険ダ」もそうでした)。
 この書籍のようなトンデモ本やテレビの捏造報道に、コロッと騙された大衆を科学的な説明で納得さ せるのは絶対に不可能です。


 ただ、だからといって、大衆心理は大衆個人にとって正しくても、統計学的にも科学的にも正しくあり ません。

 全てのモノ――つまり、食品そのモノや食品を作る過程で使うモノ、ありとあらゆる道具、自然界に在 るカタチのまま使用可能なモノから、人工的に合成したモノまですべて――において、
 ・「それを使わないことに因って得られる利益」
 ・「それを使わないことに因って生じる損失」
 ・「それを使うことに因って得られる利益」
 ・「それを使うことに因って生じる損失」
 が存在し、我々は「予想される利益」と「予想される損失」を天秤に掛けて、取捨選択しています。


 クルマを使うことに伴う環境破壊を問題視して、クルマを使わないようにする人は間違っていません し、クルマを使うことを便利だと考えたり、クルマに乗ることが愉しいと感じてクルマに乗る人も間違って いません。

 要は「リスクをどう捉えるか」であって、単純に「毒性があるから全てダメ」でもなければ、単純に「極微 量の毒だから無問題(後述しますが、閾値を考慮するのであれば「極微量の毒は無問題」です)」でもないのです。

 食品添加物を使うことに因って得られる利益
   - - - 消費期限・賞味期限の延長や手軽に美味しく,食欲をそそる色姿,加工食品を流通 ルートに載せて全国で消費してもらえる - - -
 よりも、食品添加物を使うことに因って生じる損失
   - - - 百倍の安全率でも毒は毒であり,様々な添加物の組み合わせがもたらす複合作用の 可能性が無限に存在する - - -
 を問題視するのであれば、食品添加物は“不可”です。

 一方、食品添加物を使わないことによって得られる利益
   - - - 万が一にも食品添加物の毒で健康に被害が及ぶ可能性をゼロに出来る - - -
 よりも、 食品添加物を使わないことに因って生じる損失
   - - - スグに腐ってしまうので加工食品を流通させて売ることができない(食中毒の可能 性),変色・姿崩れて食べる気になれない,美味しくするのに労力が必要 - - - 
 を問題視するのであれば、食品添加物は“可”です。

 どちらの立場に立つかによって、食品添加物は“不可”にも“可”にもなります。
 この本がオカシイのは、端から「食品添加物は“不可”」というスタンスで書かれているという点にあり ます。 ですから、毒のハナシをする時に絶対に触れておかなければならない「閾値」について全く触れ ていません。
 ただ単に含まれている食品添加物の一覧をズラリと並べ、「どうです?こんなに『たくさん』の添加物 が入っているのですよ。 恐ろしいですね」と煽ります。
 そう言われれば誰だって恐怖感を抱きます。 かく言う私だって、嫁さんがこの本を買ってきて一読し た時は、戦慄しましたもの(読後、スグに我に返りましたが)。

 量の問題を度外視して毒のハナシをするのは、(少なくとも化学的に)褒められた姿勢ではありませ ん。
 おおよそこの世に存在し、呼吸もしくは飲食によって体内に入る全ての物質に「これ以上摂取すると カラダに影響がでる」という量(「閾値」と言います)が決まっています。
 もちろん個人差はあります。 ありますが、予想し得る最大の個人差を以ってしても閾値を超えないよ うに規制されているのが食品添加物です。  どんなに毒々しい色をしていても、加工食品の包装に数 十の添加物がズラリと並んでいても、予想し得る最大の個人差を以ってしても閾値を超えることはあり えません。

 食品添加物否定論者が伝家の宝刀として持ち出してくる「化学薬品の複合作用」にしても、実はたい した問題ではありません。
 複合作用を起こす化学物質が偶さか偶然に同じ食品に添加されていたと仮定しましょう。
 でも、そもそも添加されている量が僅かです。 微量+微量=大量ではありません。 複合作用の量 もまた微量でしかないのです。
 したがって、複合作用が極めて凶悪な猛毒性を発揮しない限り、微量の複合作用毒が人体に悪影響 を及ぼす可能性は杞憂に過ぎません。
 複数の化学物質を精製・合成することによって猛毒を作り出すことは可能です。
 しかし、それは、特別な装置の中で高温や高圧(あるいは低圧)で特定の手順で創り出される人為的 合成毒であって、それは単にAとBを混ぜて出来るモノではありません。


 肉団子だの無果汁ジュースだのって話は、それがジャンクフードだというだけの話で、「食品添加物 が恐ろしい」という意味の話ではありません。  コーヒーフレッシュに牛乳が使われていようがいまい が、コーヒーの味がまろやかになって無毒なら何も怒る必要はありません。 

 口の中に入れるモノに化学物質が含まれていることが問題なのではありません。
 食事という行為は、他の生き物の体を構成する - - - 蛋白質だとか糖質だとか脂質だとかビタミンだ とかミネラルだとか - - - を摂る行為でしかありません。  その内容の良し悪しは、あくまで適切なバ ランスにこそ在って、食品添加物の種類の多さではないのです。
 たしかに、食品添加物の効能に拠って、ジャンクフードがマトモな食品のように誤魔化されているのは 事実です。
 しかし、だからといって、食品添加物を排除しさえすれば、バランスの取れた栄養摂取が可能になる ワケではありません。  加工食品の包装に目を凝らして食品添加物を忌避しても、偏った食生活をす るのであれば何の意味もないのですから。

 「食品の裏側―みんな大好き食品添加物」という本は、本来ならば「栄養の偏ったジャンクフードは怖 い」という結論に至るべき内容なのです。  それを「食品添加物は怖い」という結論を予め設定して、 「栄養の偏ったジャンクフードは怖い」という結論を回避してしまっている点にこの本の歪みがありま す。


 もし貴方がアノ本を読んで、「食品添加物は恐ろしい悪魔の化学物質」だと思ってしまったのであれ ば、それは催眠商法に嵌ってしまったのです。
 「私の話を信じろ」とは申しません。  折角インターネットで(玉石混合ではありますが)様々な情報を 得ることができるのですから、納得の行くまで情報収集をするべきです。





 今一度訊きます。
 それでも食品添加物は「怖くて」「市販の加工食品は食べれない」のですか?




 ↓ ↓ ↓

 皇紀弐阡陸佰漆拾参年拾月陸日

 安部司氏が素人丸出しのバカ発言をしていた事が、2ちゃんねるで晒し者にされていたので、まとめ サイトに便乗して此処でも晒し者にする。

 ちなみに、コメント欄の※36は私の書き込みです。

 しかし、コイツ本当に医学博士なのか? なんだか怪しく思えてきたぞw

 2013年10月05日  【2ch】コピペ情報局
 【衝撃】 医学博士 「野菜ジュースを飲むと、逆に不健康になります」 マジかよ・・・
 http://news.2chblog.jp/archives/51766349.html
 > 健康を求めて毎日飲むと むしろ不健康になる?!野菜ジュースの怖さ
 >
 > ベストセラー『食品の裏側――みんな大好きな食品添加物』の著者であるジャーナリストの
 > 安部司さんと、『カロリーゼロにだまされるな――本当は怖い人工甘味料の裏側』を上梓した
 > 医師の大西睦子さんが、食全般に関わる恐るべき真実について語り合います!
 >
 > (中略)
 >
 > 安部 日本では野菜そのものだけでなく、加工製品も要注意です。
 >     そのひとつが野菜ジュースで、ある製品では水道水基準値の10倍もの
 >     硝酸態窒素の残留が検出されたといいます。
 >
 >     原料の野菜の多くは海外複数国で濃縮(低温沸騰させて6分の1程度に煮詰めた
 >     ケチャップ状にして輸入し、国内で水で戻して“還元”して使われる)される際に、
 >     ビタミンCや酵素は壊れてしまう。
 >
 >     その証拠に、ビタミンCを含む市販の野菜ジュースはほとんどないはずです。
 >     もし栄養成分にビタミンCが含まれているなら、それは栄養強化と変色防止のために
 >     ビタミンCが後から添加されているのです。
 >
 > 大西 私は今回出版した著書で、
 >     「野菜ジュースはフルーツジュースより低カロリーながら、
 >     塩分多く含むこともあるので注意したい」
 >     という趣旨の指摘をしましたが、さらに注意すべきポイントも存在したわけですね。
 >
 > 安部 飲料業界においては、1冊の本が書けてしまうほど怪しげな製品が多いのが実情です。
 >     要は液体の混ぜ物ですから、同じ製造ラインでさまざまな製品を作ることができることも、
 >     その一因でしょう。
 >
 >
 > http://diamond.jp/articles/-/42392

 > 36:名無しさん:2013年10月05日 07:36 ID:e7y6cIA10
 > またコイツか。
 >
 > > ある製品では水道水基準値の10倍もの硝酸態窒素の残留が検出
 >
 > 野菜が原料なんだから、ある程度の濃度は検出されなきゃオカシイだろ。
 >
 >ほい、他力本願で論破。
 >
 > → http://www.foocom.net/fs/aguri/521/

   FOOCOM.NET 松永和紀のアグリ話
   野菜の硝酸態窒素を巡るウソ
   http://www.foocom.net/fs/aguri/521/
   野菜中に含まれる硝酸態窒素はがんを引き起こすが、
   硝酸態窒素は有機栽培の野菜に少なく、化学肥料を使う野菜に多い。
   だから、有機野菜は安全?-。この話、食品ビジネス関係者ならだれでも
   一度は聞いたことがあるのではないか。
   しかし、これは真っ赤なウソ。 野菜の硝酸態窒素問題には、とにかく誤解が多いのだ。

   野菜の硝酸態窒素含有量自体は、確かに高い。
   国立医薬品食品衛生研究所の調査では、
   硝酸イオンとしてホウレンソウ1g当たり3560 ±552μg、
   同じくサラダ菜5360±571μg?-などの結果が出ている。
   小鉢に入ったホウレンソウのお浸し(50gとして換算)に
   178mgの硝酸イオンが含まれている見当だ。
   しかし、野菜の硝酸態窒素ががんを引き起こすとは、今のところ断言できない。
   これが1つ目のウソだ。

   硝酸が亜硝酸に変わると、体内で発がん物質であるニトロソ化合物を増やすとされている。
   が、硝酸がどの程度亜硝酸に変わるのかが分からない。
   硝酸の摂取量と胃がんや食道がんの発生頻度の関連を調べた論文もあるが、
   決め手となるような研究成果はない。
   一方で、野菜はビタミンやミネラル豊富で、がん予防効果があるという研究も数多くある。
   WHOは、野菜の硝酸態窒素は大人には健康被害を与えない、と結論付けている。

   だが、多くの国の研究者や政府機関の方針は
   「野菜は食べた方がよいが、その硝酸態窒素含有量はなるべく抑えたい」
   という点で一致しているようだ。
   なんといっても先週書いた通り、乳児に大量摂取させれば発症するし
   (日本では、3カ月未満の乳児には野菜を食べさせないが、
    欧米では食べさせる場合があるという)、
   がんもできれば予防には努めたい。

   また、野菜の硝酸態窒素濃度の高低は、環境汚染のバロメーターでもある。
   野菜の値が高ければ、土壌や水に窒素分が多く富栄養化が進むと予想される。
   特に熱心なのはEU。
   レタスとホウレンソウに基準値を設定している
   (例えば、11月?3月に収穫されるホウレンソウは、3000μg/g、
    4月?10月に収穫されるものは2500μg/g)。
   そのための栽培技術開発にも熱心だ。

   一方、日本は基準を設定しておらず、低減策は今のところ農家の自主性に任されている。
   そのためか、2つ目のウソが流布している。
   「有機栽培は、硝酸態窒素含有量が少ない」
   である。
   あるいは、それとは裏表の言い方である
   「野菜の硝酸態窒素過剰の原因は、化学肥料」
   と主張する人もいる。

   なぜウソか? 一口に有機栽培といっても、化学合成農薬や肥料を使わない、という原則が
   あるだけで、方法は様々。 科学的に見れば多様過ぎてひとくくりにできない。

   それなのに、有機農業を信奉する一部の研究者や機関が自主発表した
   「有機栽培作物には低い」
   というデータが、一人歩きしている。 だが、これらの実験結果は科学的な信頼性に欠ける。
   野菜に蓄積する硝酸態窒素の量は、与える肥料の状態や土壌条件、季節、光量などで
   大きく変動し、比較実験は極めて難しいはずなのに、実験の詳細が明らかになっていない
   からだ。
   一見、有機栽培と化学肥料栽培を比べているように見えても、別の原因によって
   量が違っている可能性がある。

   一方、日本土壌肥料学会の雑誌(2000年10月号)にも関連する報告が載っている。
   野菜ジュース、トマトジュース、青汁、果実ジュースの合計80サンプルを、
   有機栽培表示と慣行栽培表示に分けて比較したところ、硝酸態窒素濃度に大きな差は
   なかったという。

   私の見るところ、科学者のほとんどは、有機と慣行のどちらが硝酸態窒素をより多く
   蓄積するか、という区分けには意味がないと考えているようだ。
   植物の生理を考えれば、これは当たり前。
   有機質肥料や堆肥に含まれている窒素は、たんぱく質などの一部として存在しているが、
   土壌中で微生物によって分解されて硝酸態窒素になってから植物に吸収される。
   化学肥料も硝酸態窒素になってから吸収される。
   化学肥料であろうと有機質肥料であろうと、たくさんやれば硝酸態窒素を植物が吸収し
   大量に蓄積することには変わりがない。

   現在、農水省も野菜中の硝酸態窒素を下げる栽培技術を研究している。
   生産現場では、農水省がEUと同様に野菜の基準値を設定する、と盛んにささやかれている。
   私も先週、今年度に農水省が目標値を提言すると書いた。が、これは早とちりだった。
   正確には、今年度いっぱいで研究を終了し、その結果によっては努力目標を定める議論に
   なるかも、だそうだ。

   どうもはっきりしない。
   国にしてみれば、安全基準を作る科学的根拠がない
   (EUは基準を設けているが、人体への安全を考えて、というよりも、
    政治的な思惑が絡んでいるという)。
   しかし、間違った情報を信じ込んでいる消費者の不安を鎮め、
   環境負荷軽減を目指すためにも、なんらかの目標は定めたい。
   でも、うっかり数字を出してそれが一人歩きし、野菜をいちいち測って
   オーバーしたのしないのという騒ぎになるのは怖い?-。
   農水省の雰囲気はこんな感じではないだろうか。

   農水省の動きはともかくとして、
   「なんだ、食べても危険じゃないんだ」
   で、この問題を終わりにしてほしくない。
   視点を環境問題に少しずらして考えれば、
   子や孫の安全を現在の私たちが脅かしていることに気付く。
   単純なことだ。 日本は大量の食料や飼料、肥料を輸入しており、輸出量はごくわずか。
   その結果、輸入分に含まれる窒素百数十万tが、毎年家畜ふん尿や生ゴミなどとして
   日本中に放出され続けている計算だ。
   食料自給率を上げる努力を怠り、このまま毎年放出し続ければ、
   水や土壌、野菜の硝酸態窒素の量が増え続けて行くのは確実だ。

   私たちの子や孫の時代には、粉ミルクを溶く水に国産水を使えないかもしれない。
   富栄養化で生態系が大きく変われば、食料自給がさらに危うくなる可能性もある。
   これこそ、「食の安全」の危機ではないのか?
   目の前の野菜に一喜一憂するのでなく、次の世代のために、
   輸入依存の体質や歪んだ窒素循環を変えることを考えたい、と思う。

   (サイエンスライター 松永和紀)


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